2017年12月11日月曜日

競技ダンス実践テクニック「演じるということ」



さて、11月に行われた協議会で、ダンスファイナルの練習にB級になって参加したO・N組が圧倒的なスピードでJDSF・DSCJのA級に昇級しました。

私の無駄話から競技ダンスの本質を理解し吸収するリーダーの能力もさることながら、パートナーの足腰の柔らかさにサポートされた自在で地を這うようなストライドから醸しだされるダイナミズム溢れるムーブメントに加え、剛直で崩れないポスチャーとホールド・アームの保持は、他のC級以下の我がダンスファイナルのゴミクズダンサーの皆さんには学ぶことが非常に多い教材となります。

良いものが目の前にあるわけですから、それを吸収するにはばかることはないわけですが、これがどういうわけか、ポスチャーもホールドもストライドも、誰一人として真似しません。

真似しないというよりは、どなたも会社人間としての長期にわたる左脳の酷使により機能しなくなった右脳と高齢による軽度認知症の進行により視空間認識能力が退化して理解できないという方が正確であると思いますが、それでも、皆さんの意識や行動を決定する大脳辺縁系の機能の80%は視覚からの情報により醸成されるわけですから、まず「良いもの」を見ることが重要であるということを理解しましょう。

下手なものを見れはどんどん下手になるのは自明の理であるということは、チンパンジーレベルの皆さんでもお分かりになると思うのですが、これがなかなかそうでもなくて、水は低いところに流れるの例えどおり、ゴミクズはゴミ箱の中の汚い踊りを好むというのが現状です。

悪口雑言はともかく、O・N組の今後の目標は、当然、三笠宮杯とWDSFグランドスラム東京オープンへの出場・入賞ということになりますので、その資格獲得のためにグランプリ戦への出場と、速やかにWDSF選手登録を済ませることをお勧めします。

また、A級を目前にして不慮の事故で生死の境をさ迷っていたB・B組が復帰し、また、大手術が成功したT・T組も以前よりもパワーアップして復帰の兆しを見せ、ダンスファイナルの頭上に立ち込める暗雲の切れ間から一条の閃光が垣間見える昨今、デイサービス介護ダンスという新ジャンルの団体としてさらなる飛躍をお約束して、本年の締めくくりのご挨拶といたしたいと存じます。

ちゃんちゃん。

いらんだろ。

ということで、冒頭の動画は2017年11月11~12日にポーランドのワルシャワでおこなれた、WDSF - Polish Cup Varsavia 2017 のAdult Standard の決勝戦の模様です。

Sodeika, Lacitis, Abel, Nikitin, Fainsil, Linis.といった、世界のトップ選手が踊っているわけですが、男性も女性同様にポスチャーの範囲内で頭部が後ろに反り、最初のタンゴのホールドでも女性の右手がまっすぐに伸び、男性の右手のひらが女性の肩甲骨の付近に位置しているのが見てとれます。

従来の男性の右手のひらが女性の背骨付近に置かれ、女性の左手が曲がり、全体にホールドが小さく狭まった、いわゆる「タンゴホールド」とは格段に違うことがわかると思います。

フォルムの美しさと限界のボリュームを追及すると、他のスイングダンスと同様のアームの形成とフォルムになるわけです。

とりもなおさず、そのフォルムが採点に結び付き、そのフォルムの選手が上位入賞者となるわけですので、どの選手もその方向性に修正して、現在のWDSFアマチュアの競技ダンスにおけるホールドの方向性となったわけです。

まあ、それを完璧にコピーしても、審査員によっては従来の旧態依然とした緩んで下がったホールドを良しとする場合もあるので無意味な場合もありますが、それでも、最先端のテクニックを学び、その方向性を踏襲することが、大多数のまともな審査員のニーズに応じる最良の方法であるわけです。

競技ダンスは「競技」ですので、それを判定する審査員・審判員のニーズに応じることが第一であるのは当たり前ですので、「うまい踊り」だの「いい踊り」だの「やわらかい踊り」だのと、間抜けなざれ言に惑わされず、ハードでボリュームのあるホールドとハードでダイナミックなムーブメントを念頭に今後の練習の方向性としていただきたい。

さて、毎度レッスンでループしているネタはこれぐらいにして、今回のテーマの「演じるということ」を解説します。

競技会で踊るということは、その「役を演じる」ということであるということを理解しなければなりません。

つまり、「ダンサー」を演じるわけです。

この動画の冒頭のタンゴでは、選手が立ち居振る舞いから、ホールドの組み方、踊り方を含めて、「タンゴダンサー」を演じているわけです。

動作はもちろん、顔の向き、表情までがタンゴダンサーになり切って演じ切ろうとしているのがわかると思います。

競技ダンスは、スポーツであるということの反面、芸術としての「演技」であるということの二面性を持ちます。

そのことはフィギュアスケートの採点基準が端的に表していますが、技術点とともに「演技構成点」が加味されます。

フィガーや踊り方が「演技」であるということも理解できない皆さんにどう説明していいのか迷いますが、踊りだす前の、立ち方や歩き方を含めた立ち居振る舞いすべてが採点の対象となります。

採点基準では「踊りだしてから」となっていますが、審査員は「決勝に残りそうな選手」にチェックを入れるわけですので、フロアに入った時から印象に残った選手に注目するのは当然です。

踊りのスキル(訓練を通じて身に 付けた能力)はもちろんのこと、フロアに入ってから立ち位置まで歩いていくときの姿勢や歩き方、ホールドを組む時の美しさと熟練度、さらには立ち居振る舞いから醸し出す雰囲気までが採点に結び付く要素となります。

役者が芝居の舞台に立ったのと同じことであるわけです。

フロアに入ってからの一挙手一投足を審査員に凝視されていることを認識しなければなりません。

言い方を変えると、たとえば競技会で「デモダンス」を踊ると考えましょう。

会場の観客全員に自分たちだけが凝視されるデモダンスでは、フロアに入るときからホールドを組む時を含めて、一挙手一投足がすべてフィガーの一部として組み込まれます。

そのすべてを「見られる」からです。

踊るということは「日常」ではなく、観客に見られている「演技」であるということを理解しなくてはなりません。

「演技」であるからには、自分を「演出」しなくてはなりません。

たとえばデモダンスで、大勢の観客が凝視するフロアを日常のマヌケな動作で歩いたら、爆笑とはならなくても失笑を買うのは理解できると思います。

競技会であなたのマヌケな歩き方を見て「失笑」するのはもちろん審査員です。

逆に、洗練された姿勢で、優雅にさっそうと歩いて、熟練度を伴った美しい動作でホールドを組めば、審査員の好印象となり、踊る前から加点を得ることになります。

その動作を学ぶのに、現在ではユーチューブを始めとして、超一流の演技を学ぶための研究材料にことかきません。

どうせ死ぬまでの暇つぶしの皆さんですから、持て余した暇な時間にあれこれ見て、その演技を覚え、何度も繰り返し練習して、美しい所作・動作を自分のものにして下さい。

審査員は「決勝に残りそうな選手」にチェックを入れるわけですから、所作・動作の美しい選手はその対象となるのは当たり前です。

逆にあなたのようにマヌケな動作の選手はその対象からはずれます。

しかし、自分が凝視されているということを意識に置くと、今度は精神的に「上がる」という困難に直面します。

「上がる」というのは自分の能力を超えて何かをしようとすると、脳がパニックを起こして脳機能が停止し、いわゆる「アタマが真っ白になる」というような状態を引き起こします。

つまり、向上心が緊張を呼び、動けなくなるわけですが、逆に「上がらない」人はスキルの向上が望めないということになりますので、「上がる」ことは悪いことではありません。

どんな大物の役者も舞台初日には大変な緊張をするそうですので、それを克服するために大変な稽古・練習をするわけです。

観衆としての審査員に凝視される中で、十分な精神的余裕を持って「ダンサーを演じる」ためには、フロアに入ってからの姿勢と歩き方と立ち方とホールドを組む動作も含めた「ダンサー」の演技の練習を繰り返し行い、体が勝手に動くまで熟練することが必要となります。

これはもちろん、ずば抜けた技量のあるダンサーにはどうでもいいことですが、A級のO・N組を除いたゴミクズレベルの皆さんの最低の技量を補う重要な演技構成の一環となるわけですので、よ~くこれを読んでご理解の上、寿命と競争の日々の練習の糧としていただきたい。

まあ、こんなとこかな。

にほんブログ村 演劇ブログ 社交ダンスへ

<当サイトの記事について>
当サイトのダンステクニック等に関する記事は、ダンスファイナル会員向けに書かれており、それ以外の方を対象としたものではありません。