2012年2月13日月曜日

2011大阪インターナショナルダンス選手権大会準決勝タンゴ



2011年に行われた(財)日本ボールルームダンス連盟(JBDF)西部総局主催による、2011大阪インターナショナルダンス選手権大会準決勝タンゴの模様です。

背番号60が Domen Krapez、Monica Nigro組(スロベニア)です。

Domen Krapez、Monica Nigro組は2011年6月の全英選手権(ブラックプール)第5位、2011年1月UKオープン第4位の世界のトッププロダンサーです。

Krapez選手の爆発的なタンゴ・ウォークを参考にして、先日の練習会で解説したタンゴ・ウォークの「ストライド」ということを理解してください。

ただ、このKrapez選手のウォークからのリンクはバリエーションとしての構成ですので、リンクしてから、ステップはありませんが再度フリックしてリンクしてますので、皆さんが行うベーシック・フィガーとしてのウォーク・リンクとは違うということを念頭においてビデオを見てください。

皆さんはあくまでも、S,S,Q,Qとベーシックに忠実に踊らなくてはなりません。

それを踏まえての皆さんなりの限界のストライドということになります。

また、ビデオで見ると、大した歩幅ではないと感じる方もおられると思いますが、実際にこの踊りを間近でみると、考えられないくらいにとんでもなく大きな歩幅であるということを理解してください。

皆さんが必死で広げたウォーク・リンクの歩幅は、Krapez選手の半分もありません。

しかし、それでも、競技においてはこのような爆発的なムーブメントがなければ、上級になるほど通用しなくなります。

わたしも含めて皆さんがこのトッププロの踊るフロアでいっしょに踊ってビデオに映った場合には、半分の歩幅もありませんから、命がけの歩幅で踊っても、ほとんどカタツムリのようにのろのろもそもそと動いているだけという感じになります。

さらに、今回、決勝ではなく準決勝を取り上げた理由は、皆さんが実際に最高の踊りを見せなければならないのは、この準決勝であるからです。

競技ダンスの目的はもちろん「昇級」ですので、決勝進出が目的になるわけです。

とにもかくにも決勝に進出しなければ、極端にいえば、準決勝敗退も1次予選敗退も同じ事ということになります。

そうなると、準決勝までの踊り方、つまりフロアクラフトが最重要な問題ということになるわけです。

まあ、決勝戦でも、同点で7組であったり、昇級対象が5組で1組落ちるという場合もありますが、その場合でも、基本的には6組で踊る決勝戦では選手同士の接触、接近、ステップの中断などはあまりありませんので、それほどフロアクラフトに神経を使う必要はありません。

しかし、準決勝までの12組から14組の大混雑の状態で踊る場合には、その大混雑で頻繁に発生する接触、接近、中断に対処するフロアクラフトが重要になるわけです。

この準決勝には、前述の Domen Krapez、Monica Nigro組の他に、NO.42 菅谷和貴・尾崎育代組、NO.6 本池 淳・武藤法子組、NO.96 橋本 剛・恩田恵子組、NO.47 仲秋彰耀・仲秋 潤組、NO.87 三輪嘉広・三輪知子組、NO.22 末富崇仁・藤本尚子組、NO.33 浅村慎太郎・遠山恵美(Emi Tooyama)組、NO.54 菅井 学・尚和 由里子組、NO.56 木下喜一郎・木下尚美組、NO.17 工藤洋司・工藤亜由未組、NO.69 岡田大輔・菱田純子組など、現在の日本を代表するトッププロダンサーが総出演ですので、フロアクラフトも含めた現在の日本のボールルームダンスの審査基準における頂点の技術と音楽的表現を見ることができ、学ぶことができるわけです。

まあ、実際にはプロダンサーですので、身長も180㎝以上が大半で、我々には広すぎるフロアが大変狭く見え、大混雑で踊っているわけですが、それでも、方向性を変え、ステップの歩幅を変え、うまく接触を避けて選手同士の間隔を保って踊っています。

現在の競技ダンスは、競技ダンスの黎明期のようにパーティーダンスの延長線で、その時々その場その場でステップ・フィガーを変えて踊るということはしません。

自分たちに一番合ったフィガーを選び、それをアマルガメーションに組み、そのルーティンを何度も練習して、そのルーティン通りに踊るというのが一般的で、たとえプロの世界チャンピオンでもそのように練習し、そのように競技会で踊ろうとします。

競技会において、接触したり、遮られたりしても、出来うる限りその練習してきたアマルがメーション・ルーティン通りに踊ろうと努力するわけです。

それは、現在のように高度になったボールルームダンスの競技会では、十分な練習をして十分な習熟度がないと通用しないからです。

たとえば、ソロで踊るフィギュアスケートの選手はあのルーティンをその場の思いつきでやっているわけではなく、得意なステップを組み合わせて、その構成を審査員に提出して、基本的にはその構成通りに踊ります。

しかし、ボールルームダンスの場合は特殊な場合を除いては、大勢で大混雑の中で踊らなければなりませんので、問題が出てくるわけです。

しかし、それでも、練習していないことをその場しのぎでやっても採点には結びつきませんので、やはりルーティン通りに踊る努力工夫をした方が、採点、昇級に結びつくことになります。

パーティーダンスのようにその場その場で適当な思い付きでステップを変えて踊ると、表現したいことが女性に伝わるわけもなく、当然、一体感は損なわれ、ストライドも最小限になりますので、現在の競技ダンスとしては大変不利になります。

それで、できるだけフィガー、アマルガメーションを変えずに踊るということは、接触あるいは遮られる状態が発生した場合には、方向性を変え、ステップの歩幅を調整し、それでもだめな場合はタンゴの場合はプログレッシブサイドステップなどで移動して、本来のルーティンを続けることがフロアクラフトであるということになります。

このビデオの後半ででKrapez選手がそのルーティンに合わせようと、フロアの端をプログレッシブサイドステップのカニの横歩きで、そのプレイスまで移動して音を合わせ踊りだすのがわかります。

それで、アマルガメーション・ルーティン通りに踊るということは、当たり前ですが、アマルガメーション・ルーティンを組まなければならないわけです。

しかし、JDSFのC級以下の中高年ダンサーには、その「ルーティン」を組むことすらできない選手が多々いることに驚くわけですが、それでも、圧倒的な練習量と数十年という時間をかければC級程度にはなれるわけです。

超初心者勢ぞろいで、中高年と言うよりは老人老婆勢ぞろいのダンスファイナル会員諸氏には数十年という時間はあるわけもありませんので、ルーティン通りの練習を効率良く繰り返して、競技会ではその通りに踊ることが重要であることはいうまでもありません。

にほんブログ村 演劇ブログ 社交ダンスへ

<当サイトの記事について>
当サイトのダンステクニック等に関する記事は、ダンスファイナル会員向けに書かれており、それ以外の方を対象としたものではありません。